西洋料理のカトラリー

 

 

カトラリーにとって大切なことは、以下の5ポイントです。

 

1. 耐久性

 

ホテルやレストランで使用される食器の場合一日に何度も繰り返し使用され、そのたびに洗浄され、熱湯を浴び、乾燥され…の連続となりますので、耐久性は重要となります。


 
2.機能性


食べるための道具ですから、使いやすいものであることが必須です。手にしたとき、口に運ぶときのバランス、感触、適度の重さ、扱いやすさ。さらに、切る・すくう・刺す・運ぶ・伸ばす・抑えるなどの働きができなくてはなりません。


 
3.清潔性


洗いやすく、汚れにくいこと。そのためには表面に平滑性(すべすべと滑らかなこと)が大切です。


 
4.装飾性


食文化の側面から、見て美しく、楽しめるデザインであることが大切です。


 
5.経済性


特にレストランなどでは、大量の食器を使用します。市場に、適切な価格で出回っていること、耐久性とのバランスでランニングコストが良いことなど、経済性も必要です。
 
◎これらの条件を満たすため、

 カトラリーの素材には、多くの場合「金属」が採用されることが多くなりました。

 

 

金属カトラリーの素材

 歴史的には、古くは「金」「銀」等の貴金属、また銅合金の1種である「真鍮」等が使われてきました。現代の正式な晩餐会などで使用されてる金属カトラリーの素材の多くは、「銀」や「洋白」になります。

「銀」は大変高価なため、近年は「銀」に「柔らかさ」や「重さ」が極めて近い「洋白」(または洋銀)と呼ばれる合金に、銀メッキを施したものが多く使われています(通称「洋白銀器」、アルファベットで「EPNS」と呼ばれます)。「洋白」も、「銅」「亜鉛」「ニッケル」からなる合金で、日本の500円玉等、各国の高価な硬貨や、金管楽器の材料として使用される「高級素材」です。

 

安価な「鉄」を利用したカトラリーもありますが、鉄は水分や塩分に接すると錆びが出やすく、メッキを施してもそのままでは長期の使用には耐えられない為、あまり使われません。近代に入り、「ステンレス」材が発明されたことで、今では鉄系材料の主体はステンレスになっています。