燕のカトラリー製造が始まったのは、明治44(1911)年。以来、100年を超える歴史の中で培われた技術力、デザイン力で食卓を彩る様々なカトラリーを生み出し続けています。
しかし、そんな長い歴史を持ち、現在も国内シェア90%以上を誇る燕のカトラリー業界も、近年の円高傾向や、安価な海外製品が台頭する中で、今後も現在の状態を維持できるとは限りません。
そこで、燕市製のカトラリーの魅力を世界に発信し、カトラリー業界の更なる飛躍を目指し、燕を代表する新たなカトラリーを開発することとしました。2018年7月、市内メーカーから新たにデザインを募集。
10月にはトップアスリートや飲食提供業務関係者、美術系大学の教授や学生など130名を超える皆さんから審査いただき、2019年2月、応募デザイン10作品の中から、1つの美しいデザインが選ばれました。
「NIPPON」をテーマにしたデザインは、表面には、朱鷺(とき)(学名Nipponia nippon)が真っ直ぐに飛翔する様を、裏面には、日本を代表する花・桜を豪華に配置し、着物の奥襟のように見えないところでのおしゃれを楽しむ日本人の「粋」を表現することで、日本の美意識を真っ直ぐに伝えます。
日本で主に使われているサイズは「デザートサイズ」と呼ばれるものですが、世界では主に「テーブルサイズ」というひとまわり大きなサイズが使われています。
この新たなカトラリーは、世界中の人に使ってもらうことを想定しつつ、日本人をはじめ、体格や性別など、様々な人が使うことを配慮し、テーブルとデザートの中間のサイズとなっています。
また、スプーンは日本人や小柄な方の口にも入りやすいよう頭の幅を狭くしつつ、スープがすくいやすいよう奥を深くし、フォークは口から抜けやすいようカーブの角度を工夫するなど、形状にも細かい配慮とこだわりが詰まっています。
いよいよ2020年。産地を代表する新たな逸品として「燕のおもてなし」を世界へ発信します!