テーブルマナーの実践

食事マナーのポイント

基本的なマナーのポイントは次のとおりです。

  1.  日本料理と違い、西洋料理では皿や器は手元に取り上げずにいただくことが多い。
  2.  皿は移動させない。グラスは飲んだ後、元の位置に戻す。
  3.  料理は口に会うサイズに切ってから口に運ぶ。噛みちぎらない。
  4.  音を立てないように注意していただく。
  5.  食べ残しなどは、皿の隅にきれいにまとめておく。

 

飲み物の注文

食事中の飲み物には多くの種類があります。通常、宴会などでは種類が決められていたり、メニューに記載されている場合がありますので、その中から好みのものを注文します。

 

 

飲み物を断るとき

サービススタッフが飲み物を注ごうとしたときに、断りたい場合。軽くグラスに手をかざせば断りの意思表示になります。飲み物を変えたいときも同じ動作をして注文します。

 

グラスをわざわざ逆さにしたり、手を振って伝えるしぐさはスマートではありませんので注意しましょう。

 

 

基本的なナイフ・フォークの使い方

食事用のシルバーウェアーのセッティングは世界共通です。

 

カトラリーの種類 使い方
 1. ナイフ・フォークを使う順番 テーブルにたくさんのナイフ・フォークが並べられている場合、メニューに従って一番外側から内側に向かって順番に使っていきます。

2. スープスプーンの位置

右側の一番外側の場合と、オードブルナイフの内側にセットされている場合があります。
3. ナイフ・フォークの持ち方

ナイフやフォークは柄の部分を握りこまないようにします。

包丁を持つように人差し指を背に添え、親指も前に向くようにします。

4. 上手に使うには

料理を切るときは、まずフォークで料理を押さえ、前後にナイフを動かして切ります。

料理は一口に入るサイズに切り、フォークで刺して口に運びます。このとき、ナイフをあまり皿に突き立てないように注意します。

ナイフを使わなくても、フォークだけで食べられる料理の場合(例:グリーンピース、パスタ類、ライスなど)は、ナイフを皿の上に置き、フォークを右手に持ち替えてすくったり、刺したり、巻きつけたりしていただいても失礼にはなりません。

扱いの注意点

ポイント 内容
1. 食事中、間違ったカトラリーを使ってしまったら

あわてて正しいものに取り替えたりせず、そのまま使い続けます。サービススタッフが次の料理を出すときに、その料理用のカトラリーを目立たないように用意してくれます。

間違えたことに気付いていない場合も同様です。

2. ナイフ・フォークを落としてしまったら

床にナイフ・フォークを落としてしまっても、そのままにしておきます。サービススタッフがただちに、新しいものを届けてくれます。

ただし、テーブルの下に落ちてスタッフが気付かない場合には、呼んで取り替えてくれるようお願いしましょう。

3. 会話中のナイフ・フォークの位置

食事中、手を止めるときや会話している間は、ナイフ・フォークは皿の上に、カタカナの「ハ」の字になるように置きます。このときの注意点は、ナイフやフォークを持ったまま、長い会話をしない。

皿に置くときは、滑り落ちないよう、あまり端に寄せすぎないようにする。

皿に置くとき、ナイフの刃は自分のほうに向ける。

4. ナイフ・フォークを使うときの注意点

ナイフを突き立てて使うと、皿と触れ合う際に雑音が出やすいので注意します。

ナイフやフォークを会話の身振り手振りで振り回したりするのはやめましょう。

5. 食事終了の合図

ナイフやフォークを置く位置はサービススタッフへのサインにもなります。

食べ終えたという終了のサインを示すには、中断するときの「ハ」の字ではなく、右側上に斜めに内側にフォークを揃えるようにしておきます。なお、フランス式は、同じくナイフとフォークを揃えて3時の位置に、イギリス式の場合は6時の位置に揃えます。

食べ残しがある場合には、皿の隅にきれいにまとめておきます。

ナプキンの使い方

使い方 内容
1. ナプキンを広げるタイミング

着席してすぐにナプキンを取り上げる方がいますが、会の進行によっては挨拶やスピーチが入ることもあります。

早々にナプキンを広げると、まるで食事の催促をしているように見える場合もありますので注意しましょう。

 

ナプキンを広げるタイミングには次の二つがあります。

・最初の料理が運ばれて来たとき

・ホストまたはホステス(招待した側・主催者)がナプキンを取り上げたとき。

 

自分が主催者の場合には、料理が運ばれるころになったら「ナプキンをどうぞ」と周囲に促します。

なかなかホストから指示がない、ホストがナプキンを広げないときは、サービススタッフから「ナプキンをお取りください」と声を掛けられる場合もあります。

2. ナプキンのかけかた

小型のナプキンはそのまま膝に広げ、大型の場合は二つ折りにします。そのとき、折り目は手前にきても向こうに行ってもいいのですが、女性の場合はナプキンの縁が手前に来るようにかけると便利です。

こうするとナプキンの裏側で口を拭くことになり、膝に戻しても汚れが裏側に隠れて表からは見えずにすみます。また、口紅などがナプキンから服に移る心配もありません。

3. 首からさげない

ナプキンを首元にかけたり胸元に広げたりする方がいますが、これは現代的な作法とは言えません。

どうしても着物の汚れが気になる場合には、あらかじめブローチなどを用意しておき、ナプキンを胸元にさげない形で整えてからブローチで留めるとスマートです。

4. 和服にときは

和装の場合、ナプキンの両端を帯に軽く挟むようにすると、滑り落ち防止になります。

また、胸元を汚したくない場合は、広げて、襟の合わせに挟むようにすると良いでしょう。

5. ナプキンは何度も使う

ナプキンは食事中、何度使ってもかまいません。使うときは、二つ折りにした、縁の部分の内側で口元をおさえたり、指先を拭きます。
6. ナプキンで拭いていいのは口元と指先だけ ナプキンは口元や指先をぬぐうもので、それ以外のことには使いません。汗などはハンカチを使います。
7. 中座するときは

従来、食事中に中座する場合は椅子の上に置く、とされていました。最近では椅子の上ではなく、テーブルの上に軽く畳んで置き、周囲の方に中座する旨を伝えてから席を立ちます。

 

このとき、汚れた部分が見えないよう、畳み方に注意します。もしナプキンを床に落としてしまったら、サービス係に拾ってもらってください。ホームパーティなどでは、さりげなく自分で拾いましょう。

8. 退席するときは

食事を一通り終えて、退出するときも、ナプキンは軽く畳んでテーブルに置きます。

中座の場合と同様、汚れた部分が見えないように配慮します。

教えて!

Q どうしてナプキンを無造作にたたむの?

A 食事が終わって席を立つ時ナプキンは無造作に軽くたたんでテーブルの上に置く。

    きっちりとたたむと料理や店などが気に入らなかったという

    不愉快の表現という意味があります。